
みなさん、こんにちは。Kenです。このブログでは「翻訳を学ぶ人のための“絶対外せない”ワンポイント英文法」と題して、英文理解の際に気をつけたいポイントをお伝えしていきます。
さて、今回は「句動詞について整理してみよう」をテーマに書いてみます。
【代名詞は挟む?】
see off 「見送る」の使い方:
1. I’ll see the members off. →OK
2. I’ll see off the members. →OK
3. I’ll see them off. →OK
4. I’ll see off them. →NG
これは英語学習をしていると必ず1度は目にしたことのある事項ですね。
“the member” のように目的語が名詞であれば、see offの後ろに置いてもよく、またseeとoffの間に置いてもよい。しかし ”them” のように代名詞であれば seeとoffの間に置かなければならない。・・・というのがルールです。
では、
5. I’ll get over it soon. 「私はもうすぐそれ(悲しみなど)から立ち直るだろう」
これも文法的には正しい文なのですが、一体どういうことでしょう?
【句動詞について整理してみます】
句動詞(“熟語” “イディオム” “群動詞” とも呼ばれます)も、詳しくなりたちを分析するといろいろな種類があります。代表的な成り立ちを例と共に挙げてみます。
a. 自動詞 + 副詞 →セットで自動詞となる He ran away. 「彼は逃げた」
b. 他動詞 + 副詞 →セットで他動詞となる They had to put off the meeting.「彼らは金曜まで会議を延期しなければならなかった」
c. 自動詞 + 前置詞
I agree with you.「私はあなたに賛成します」
→前置詞のあとには当然ながら名詞(代名詞)を置きます。
これらのうち、
b. 他動詞 + 副詞については、
「他動詞+名詞+副詞」「他動詞+副詞+名詞」 どちらの語順でもよく、例えば、
OK: He put the meeting off.
OK: He put off the meeting.
です。
そして代名詞の場合は「他動詞+代名詞+副詞」。
OK: He put it off.
NG: He put off it.
ですね。
ところが、c. のような場合は「動詞 + XX + 名詞/代名詞」という並べ方が正しく、
代名詞であっても動詞とXXで挟みません。
XXがwithのように、前置詞としての使い方しかない単語であればわかりやすいのですが、overは、前置詞と副詞の両方の用法がありますね。
そうなのです。5. get overのoverは副詞の場合と前置詞の場合があるのです。
get over 「終わらせる」他動詞 + 副詞
I’ll get it over soon.「私はすぐにそれを終わらせる」
get over 「立ち直る」自動詞 + 前置詞
I’ll get over it soon. 「私はもうすぐそれ(悲しみなど)から立ち直るだろう」
【この記事の take away】
さて、まとめると、この記事を通して私がお伝えしたいことは
・句動詞には異なる成り立ち、用法のものがある。
・意味を考えたり辞書を引く場合、副詞と前置詞どちらにもなり得る単語には特に注意。
です。品詞について敏感になるということは辞書を引きやすくなるということでもあり、ひいては解釈/調査の時間短縮にも繋がります。
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